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NEWS 2026.07.29 - 2026.08.09

暮らしと共に時代を超えたものづくり – 大島紬とクバ民具 –

Posted on 2026.07.13

Y. & SONSでは、ものづくりの背景にある物語を大切にしています。
それは、特定の誰かが生み出したものではなく、人々の暮らしの中から生まれ、必要とされながら受け継がれてきたものづくりです。
今回ご紹介するのは、奄美大島の「大島紬」と、与那国島の「クバ民具」。
ひとつは着るもの。ひとつは使うもの。その役割は異なりますが、どちらも土地の自然や風土、人々の営みの中で育まれてきたという共通点があります。

そんな人々の暮らしに根差した二つの手仕事をご紹介いたします。


【 大島紬 】

大島紬は、単なる高級絹織物ではありません。
奄美の人々にとって、それは暮らしを支える産業であり、誇りであり、自らのアイデンティティでもありました。
環境や時代の中で、自分たちで織った大島紬を着ることすら許されなかった時代や、戦後の混乱によって生産が途絶えかけた時代を経ても、人々は大島紬をつくり続けました。
それは大島紬が工芸品以上の存在だったからです。

大島紬は、奄美大島に自生する車輪梅 (シャリンバイ) と、鉄分を多く含む泥で染め上げる「泥染め」によってつくられます。
30を超える気の遠くなるような工程を、つくり手の方たちによる「結」の精神でつなぎ、一反の大島紬が出来上がります。

大島紬は「二度織る」ともいわれます。
緻密な絣模様を生み出すために、一度目の織りで柄をつくり、二度目の織りで一反のきものへと仕上げていきます。

細やかな柄、しっとりとした光沢、そして袖を通したときに響く「シュシュッ」という美しい衣擦れの音。
多くの人々の手によって繋ぎ、積み重ねられてきた時間を身にまとうことができる。その高揚感もまた、大島紬ならではの魅力だと感じています。

大島紬について詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。

さんち大辞典 大島紬


【 クバ民具 】

日本最西端の地、沖縄県与那国島では、島に自生しているヤシ科の「ビロウ」を古くから神聖な木として大切にしてきました。
「ビロウ」の大きい葉、丈夫な幹を活かしてつくられた生活道具たちが「クバ民具」と呼ばれています。

クバの葉は、乾燥すると非常に軽く、丈夫になり、水にも強いという特性を活かして島の自然環境や生活様式に合わせて様々な道具につくられました。
クバの葉を乾燥させ、真ん中で2つに割るという原始的な方法で作られており軽くてあおぎやすい扇状の「クバオージ」。

日常的に水をくみ上げるのに使われており、沖縄県の伝統行事 “爬竜 (ハーリー)” では、船が転覆しないよう中から水をかき出す時などにも使われている「ウブル」。

クバの葉と竹と糸のみを用いて作られ、昔は士族や神女(沖縄の巫女)が使用していた「クバ団扇」。

昔、女性たちがウブルや荷物を頭の上に乗せて運ぶ際、頭を保護し荷物を安定させるために使われていた「カブチ」。

クバの葉先を使用してつくられた「クバほうき」。

クバ民具は、先人たちから受け継いだ文化を守るだけでなく、現代の暮らしの中で使われるものとしてつくり続けられています。

大島紬もクバ民具も、長く残ったから価値があるのではなく、人々の暮らしの中で必要とされ続けてきたからこそ、時代を超えて今もなお受け継がれています。
今回の企画では、そうした土地に根差したものづくりと、その背景にある人々の営みに触れていただければ幸いです。


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