新生「新風館」は、歴史的建築物を活かして再開発されたホテル・店舗・映画館からなる複合施設です。もともとこの地には、1926年に竣工した吉田鉄郎の設計による「旧京都中央電話局」の建物があり、1983年には京都市指定・登録文化財第一号として指定されています。電話局としての役割を終えた後2001年に商業施設「新風館」として生まれ変わり、15年間の営業後に再開発事業がスタート、2020年3月に竣工、同年6月11日に開業の日を迎えることとなりました。
コンセプトは「伝統と革新の融合」。大正時代の電話局舎の活用ということだけではなく、工事中に発掘された室町時代の庭園石組みの再現や、京都の伝統工芸を応用したインテリアデザイン等、様々な形で京都の歴史・文化を継承し未来に繋げています。
配置計画における基本的テーマは、街の回遊性向上です。敷地内を烏丸通から東洞院通まで東西に貫通するパッサージュ(店舗が並ぶ公共的通路)を設け、既存棟と新築棟の間の中庭を介して北側の姉小路通りとも繋がり、また地下2階では地下鉄とも直結して地域の歩行者ネットワーク構築に貢献しています。
日本発上陸となる「エースホテル京都」を核として、地下1階の映画館「アップリンク京都」をはじめ、パッサージュや中庭廻りに並ぶ新業態を含む全20店舗の商業ゾーンで構成されるこの「新風館」は、世界中の旅行者や地域の人々の交流拠点となり、街に一層の賑わいをもたらし、京都の地に新風を吹き込み続けます。